一年を通していつでも美肌をキープするには、症状やトラブルの原因に合わせてスキンケア方法を変える必要があります。
しかしどんな肌の悩みも、広くとらえれば「肌バリア機能」の低下が引き起こしていると考えられるでしょう。
今回は人間の皮膚が本来持っている、外的要因から肌を守る肌バリア機能についてお話しします。
皮膚は何でできている?肌に皮脂が必要な理由
皮膚は大きく分けて3つの層でできており、外側から内側に向かって表皮・真皮・皮下組織と重なっています。
表皮の一番外側は、皮脂や角質細胞間脂質、天然保湿因子が含まれる「角質層」です。
肌に触れた時に感じるべたつきの正体は毛穴の中にある皮脂腺から分泌される皮脂で、汗腺から分泌される汗と混ざり合って「皮脂膜」を生成し皮膚を覆っています。
この皮脂膜が水分の蒸発を防いでおり、うるおいのある肌を守っているのです。
セラミドなどで構成される角質細胞間脂質は角質細胞同士のすき間を埋めている物質で、水分を逃さないようサンドイッチ状に挟み込んでいます。
アミノ酸や塩類でできている天然保湿因子は水分をキャッチする構造になっており、肌に含まれる水分の蒸発を防ぐ物質です。
すべての肌トラブルは乾燥のせい!?肌の保水機能が重要
保水機能を持つ物質が不足すると水分が蒸発しやすくなり、肌の表面や内部が乾燥してしまいます。
肌の水分が不足すると角質層がはがれやすくなってバリア機能が低下するため、外からの刺激を受けやすくなるのです。
これが肌トラブルの主な原因と考えられています。
最近の研究では、ダニや食べ物などの成分が肌内部に侵入するとアレルギー体質になるということがわかってきました。
細菌やウイルスが侵入すれば、水イボなどの感染症にかかりやすくなるでしょう。
乾燥によって痒みを感知する神経が皮膚表面まで伸びてくることもあり、これが敏感肌の主な原因とされています。
全身うるおい肌になるには?保湿とともにインナーケアを
顔のスキンケアで乾燥対策をしている人も多いですが、首から下の肌は保湿を忘れがちです。
体の中からうるおう食材を意識して摂ることで、全身の乾燥肌を改善できるでしょう。
肌と腸内環境には深い関係があり、お腹の調子を整えると美肌になるといわれています。
乳酸菌などの善玉菌が多く含まれる発酵食品だけでなく、善玉菌のエサとなる食物繊維を一緒に摂ることで腸内フローラが活性化。
肌の弾力を生み出すコラーゲンとエラスチンも積極的に摂りましょう。
肉や魚の皮はコラーゲン、筋はエラスチンが多く含まれている部位です。
昆布由来のフコイダンや、生こんにゃくから摂取できるセラミドもお肌にうるおいをもたらします。
乾燥肌のほか、風邪を引きやすい、喉の痛みや鼻詰まりなど粘膜の不調にもお困りの方は水分そのものだけでなく、水分を細胞内に閉じ込める成分が不足している可能性があります。
保水機能を高める成分を摂ることを意識して、体の中からうるおいのある健康な体を目指しましょう。