グルテンフリーはダイエットだけじゃない!慢性的な疲れを改善する食事療法

モデルのミランダ・カーが行っている健康法として話題になった「グルテンフリー」。
もともとは、小麦アレルギーの人やセリアックという病を患っている人のための食事療法でした。
小麦や大麦、ライ麦には「グルテン」というたんぱく質が含まれていますが、グルテンフリーとはこのグルテンを除去する食事方法です。
小麦アレルギーでもない、健康な人がグルテンを摂取しないことで一体どんなメリットがあるのでしょうか。
今回は、グルテンフリーで得られる効果について解説します。

 

グルテンフリーで何が起こる?積極的な健康法ではない

小麦を抜くことにより、頭痛や肩こり、日中の眠気、なんとなく体が重いというさまざまな不調が軽減したと報告されています。
ただし、小麦製品を除去した日から数日のうちに「体調が良くなった!」と実感できるわけではありません。
3週間ほど小麦製品を食べずに過ごし、久しぶりに食べた時に調子が悪くなって気が付く人が多いといいます。
小麦製品を食べないことで健康になるというよりは、原因不明の腹痛など軽い不調が軽減する可能性があるというものです。
例えば、毎食後に下痢や腹痛を起こしていた人も、普段の食事から小麦製品を除去するだけで体質が改善するかもしれません。

 

 

どうして体調が良くなるの?ストレスホルモンの影響も

ストレスを受けると、副腎に炎症が起こります。
この炎症を抑えるために副腎皮質から「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。
現代人は慢性的にストレスを感じ、コルチゾールの分泌が追いつきません。
副腎が疲弊し、倦怠感やイライラの原因にもなっているといいます。
いっぽう、小麦由来のグルテンには小腸の細胞間を空ける「ゾヌリン」という物質を分泌させる作用があります。
ゾヌリンが多くなると細胞間の隙間が広がり、消化しきれない食べ物や細菌が血液中に入り込んでしまうのです。
この状態を「腸漏れ(リーキーガット)」といい、異物が入り込んで炎症が起こるとコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールが多く分泌されることで副腎は疲れ、腸内細菌のバランスも崩してしまうでしょう。
小麦製品の摂取を控えるとリーキーガットが抑制され、コルチゾールの分泌量も少なくなります。
結果的に、副腎に休息を与えることができるのです。
疲れやすい、お通じが乱れやすい人は、小麦製品を控えてみてはいかがでしょうか。

 

どうしてダイエットにも効くの?小麦の食べ過ぎで水分過多になる

グルテンフリーな食事は、ダイエット法としても有名です。
小麦製品を食べてゾヌリンが増え、リーキーガットが起こりやすくなります。
これに対抗するためにコルチゾールが分泌されると、体内に水が溜まりやすくなります。
そのため、水太りやむくみの原因になるのです。
コルチゾールの分泌によって脂肪を蓄積しようとするスイッチが入り、空腹でも血糖値が高く、脂肪を燃焼しないようにしてしまいます。
パン食からごはん食に変える、うどんやラーメン、パスタなど、小麦粉を使った製品を食べないようにするだけで脂肪が燃焼しやすい体になるでしょう。

 

胃腸の調子がいつも優れない人、疲れやすく太りやすい人は、小麦を摂りすぎていないか振り返ってみましょう。
パンや麺類が好きな人は無理せず、少しずつ減らしてみても良いですね。