「ハラスメント・ハラスメント」、通称「ハラハラ」って知っていますか?
性的な発言をしたり異性の交遊関係について質問したりする「セクハラ」、職務上の立場を利用して威圧的な言動をする「パワハラ」などが有名ですが、最近新たなハラスメントが登場しました。
今回は企業側がダメージを受ける可能性が高い「ハラハラ」について考えてみましょう。
「ハラスメント・ハラスメント」ってどういうこと?過剰な「○○ハラ」主張
ハラスメント・ハラスメント(以下ハラハラ)とは、他人の言動が「ハラスメントだ」と過剰に主張することをいいます。
例えば、上司が女性社員に対して「君の制服を注文したいんだけど、ここに希望のサイズを書いてくれる?」と注文票を渡したらセクハラされたと訴えられたケースがあります。
上司は職務上必要なやり取りをしただけであって、個人的な興味で女性のサイズを聞いたわけではないと主張しましたが…
大事にされたくない企業側が、一方的にこの上司の男性を解雇してしまったという事例がありました。
他にも、日頃から先輩に対して不満があった若手社員が「パワハラされました」と何の根拠もない言いがかりをつけたことが突然の人事異動にまで発展したケースもあります。
他人の言動に過剰に反応してしまう人や、ハラスメントを利用して特定の人物を不利な立場に立たせようとする「ハラハラ」が増えていると危惧されるようになりました。
新人が成長できない?職場の人間関係がますます希薄に
先輩が新人に仕事を教えるという当たり前の行為が、「最近ではやりづらくなった」と言う人がいます。
新人がミスをした時、思わず大きな声で叱責してしまったら「パワハラだ」と言われてしまうかもしれません。
なかなか職場になじめない大人しい女性社員に、みんなと打ち解けてほしくて「今度飲み会でもしよう」と言ったら「セクハラだ」と言われてしまったという管理職の男性もいます。
最近は
「失敗しても怒られない」
「何を聞いてもすぐに正解を教えてくれる」
「自分に仕事を振らず、上司がやってしまう」
という新人社員もいるそうです。
仕事と関係ない話は休憩時間であっても一切せず、どんなに自分が悪くても怒られることはない、自分で考える必要すらない職場は、新人社員にとってどんな意味があるのでしょうか。
ハラハラを恐れるあまり、若い人や新人社員に関わろうとしない中堅社員が増えています。
これでは職場の人間関係が希薄になるだけでなく、新人の成長にもつながりませんね。
ハラハラを解消することが、企業の成長につながるのではという考え方もあります。
日本の社会にとって無視できない問題として、他のハラスメントとともに考え直す時期が来ているのかもしれません。